毒親から離れられない理由

先日ある中国人女性のセミナーに出席する機会がありました。

上海で有名な教育関係のコーチングをしている方です。

「成功の一番の近道は親孝行」という話をレクチャーされたのですが、

これ、一部はうなずけますが偏った考え方でもあります。

彼女は、古代中国の孔子の

「親を敬し、親の心を安んじ、礼に従って奉養祭祀すべき」

という教えをもちいて説明していました。

中国一のネット通販企業であるアリババでは、

親孝行をしているかどうかが採用の重要なポイントとなるようです。

祖先供養にも繋がる話なので、ここで彼女の話の矛盾点を少し説明しますね

 

その前に、まず、古代の中国の孔子の教えを解説させてください。

中国では祖先崇拝の観念の下に、

血族が同居や連帯し家計をともにするという

家父長制家族で社会が成り立っていました。

ですから家族の一員である限りは、

親(家長)に無条件に服従することと、

先祖の祭祀に奉仕することを「孝」として強制していました

孔子が親を敬し礼を尽せと説き、『孝経』(弟子曽子作)において、

道徳の根源、宇宙の原理として形而上化されていったのです。

(近年、孔子この孝経の教えは、一族さえよければ、

他人や他国はどうなってもよいという考えを中国に根付かせてしまい、

近隣諸国との摩擦を生み出したとも言われています)

孔子は、罪を犯した場合も

「父は子の為(ため)に隠し、子は父の為に隠す」述べています。

つまりは一族の人間が犯した罪は、一族で隠し通すべきと、

とんでもないことを教えてしまっているのですね。

ですから、孔子の教えが根付いている中国や韓国のドラマでは

家族の不正を他の家族が命を欠けて伏せるみたいな話が多いです。

日本は孝経の教えの影響よりも、

「孝」よりも「忠」、国や地域の君主に忠義を尽くすという思想が発達し、

と徳川幕府下では公的な見解として採られるようになっていきました。

しかし、明治政府下では、教育勅語で親と国への無条件の崇敬の考えが浸透し

親への服従が社会的常識として強制されていきました。

あなたの祖父や祖母が育った頃は、

まだまだこうした偏った思考が当たり前の時代だったのです

 

彼女のセミナーの話に戻りますが、

「母親との関係が上手くいってない人は、人間関係や家庭(結婚)に問題が生じる。

父親との関係が上手くいってない人は、仕事や経済面がうまく行きません」

と話しをされていました。

親孝行をして「根」を養うことで、葉が拡がる、

母親の愛は陰のエネルギー、父親の愛は陽のエネルギー、

それが合わさることで私たちは生まれた。

私達の根は親であるから、どんなことがあっても親を大切に敬うことで、

根が強くなり一族は栄えるというのです。

確かにその通りなのですが、

すでに根が腐ってしまっている場合は話が違います。

腐敗した根に栄養を与えてもどうにもならないことがあります。

その場合は、根から幹を離して、

栄養分豊かな大地に挿し木することで、

幹は自ら根を生やし元気に育っていきます。

腐った根にいつまでもくっついていると幹も腐り倒れてしまいます。

ですから、もしもあなたの親が毒親で、どう見ても腐った根ならば

思い切って離れて、一人で大地に根を生やして生きてください。

そのほうがいいのです。

中国人の彼女は孔子の教えが根底にあるので、

どんな親でも、敬い親孝行すべきだと考えていますし

離れるべきではないと力説していました。

ですが、実はあなたを育てているのはこの地球、宇宙なのです。

親だけではありません。

親はあなという子供を宇宙から授けられ育ている宇宙のゆりかごです。

ゆりかごが壊れたり腐ったりしたら、

地球があたなたを育てます。

だから、安心して毒親から離れてください。

親という存在よりも、あなたをまず大切にしてください

続く・・・

裕実れいホームページhttp://www.yuume.net/

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